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四、前田屋いろいろ

04_逆算クリエイティブ

プロデューサーはその経験値から、多種多様なアウトプット(表現)を持ち合わせています。

ですので、オリエンの途中でもどんなアウトプットになるか予想がつきます。この話がこちらに傾けばこんなアウトプット、あちらに傾けば、あんなアウトプット、など。企画に余白があれば、アウトプットで強いクリエイティブに導けるとも思っています。

例えば企画が10通りあったとして、それに10個の演出があり、合計で100通り。クリエイティブスタッフの力があれば、いかようにも調整することができます。

料理に例えたら、塩加減で細部を調整すれば、美味しくできる可能性があります。途中でアクシデントがあったとしても、別の料理にアレンジできる方法もあります。

そう考えると、CM制作ではカメラのレンズ、スタイリング、ヘアメイクの微差、美術のディティール、編集の間合い、音楽の楽器違いなど、制作段階でもチューニングできるポイントはたくさんあります。

そこで、目指しているクリエイティブに近づけるためには、企画から完パケまでの間に「逆算クリエイティブ」を繰り返します。要所要所のポイントこだわることで、クリエイティブをよりよい方向に作用させる発想です。つまり、アウトプットの細部を理解しているプロデューサーが上流の情報整理をしっかりできれば、もっとクリエイティブは強くなるという考えかたです。

あらゆる料理を知り尽くしているので、どんな料理人に頼むか、またどの段階でスパイスや調味料を入れるべきかをイメージできているということです。

「逆算クリエイティブ」には前段に書いた「情報の純度」がセットになります。これがプロデューサーの役割のひとつであり、プロデューサーにしかできないクリエイティブの組み立て方だと思います。

次にその実現力を高めるための「オリエンが9割」をご説明します。

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