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四、前田屋いろいろ

09_実現力について

前回までは、プロデューサーの役割は「クリエイティブの環境づくり」であると説明してきました。さらに今回は、環境づくりに必要な「実現力」についての話をします。スタッフの御用聞きではなく、理想のクリエイティブをつくるためには、以下の技術を使うことで実現できると考えています。

 

①クリエイティブの理解力

制作経験者ならすぐ分かると思いますが、クリエイティブの内容全てを優先してしまうと、必ず各所で歪みが出てきます。そこには力の入れ具合を見極めるクリエイティブの理解力が必要です。この理解力は経験値が必須ですが、因果関係の整理など、考え方を身につければ学べる時間は圧縮できます。

 

②スケジュール力

スケジュールは、単なる日程調整ではなく、何に時間をかけるべきか、どの順番で組むとよいクリエイティブに導けるか。全て先読みしないと、適切な判断ができず無駄な動きと費用が増えてしまい、結果的に制作物が弱くなります。スケジュール力とは先を読む能力であり、クリエイティブと同様に大切な要素だと思います。

 

③予算・見積力

予算だけで数ページ書けてしまうので、ポイントだけ。予算は多ければ良い、という単純なものではなく、「目的=企画=予算」のバランスが正しく見れているかが重要です。「見積書」は実現可能なバランスを共有するために必要な説明書のようなものです。 「目的=企画=予算」が崩れていると、進行が難しくなり、誰かが無理をする根性論になってしまうので、予算から最適な見積を導き出すことが重要になります。

 

「クリエイティブの理解力」「スケジュール力」「予算・見積力)」の3大要素は三方美人が理想です。企画から撮影、編集まで、常に最適化を続けることで、理想のクリエイティブに近づけることができます。これを実行できるのはディレクターやカメラマンではなく、経験が豊富で制作出身のプロデューサーしかいません。自分にとってもまだまだ難しいことも多いですが、「実現力」が良質なクリエイティブを産み出す環境を整えてくれるのです。

09_実現力について

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